シュンベツ川 札内川 新冠川 ソエマツ沢 日高紀行文
1998年ハイライト ヒグマの生態と対策 北海道MENU

 オショロコマは、北米大陸の太平洋側からアリューシャン諸島、ソ連、北海道、北太平洋沿岸と、その分布域は広い。日本では、北海道にのみ生息している希少種だが、世界的に見ると、オショロコマはイワナより大きな勢力をもっている。
 オショロコマを釣るなら知床半島という漠然とした知識しかなかった。日高最高峰の連なる源流に、まさかオショロコマが生息しているとは知らなかった。初めてオショロコマに出会った感激と赤い斑点の鮮やかさ、その裏に隠された悲哀の歴史を否応なしに語り掛けてきた。それは、アメマスの進出によって山奥に追い詰められた滅びゆく「残党」の姿そのものだった。
北海道日高・札内川源流の宝石・赤い斑点のオショロコマ。北海道では雑魚呼ばわりされているそうだが、私にとっては、この美しい渓魚に魅了された。 赤い斑点は体の中央部を三列、千鳥に彩る。体側には青いパーマークがはっきりと残っている
尾ビレは、切れこみが少なく角形。動きは、イワナに比べて鈍く、奥へ奥へと追いやられている。日高南部では、アメマス系のイワナたちによって完全に制覇され、極一部の源流にしかオショロコマは生息していない。 2m近くもある日高の巨大フキ。これでは、秋田フキも顔負けだ。巨大なヒグマが身を隠すにもちょうどいいほどデカイ。
赤茶けた岩と冷たい流れが印象的。オショロコマは、適度な落差と冷たい渓流を好む。 澄み切った青空と輝く緑、さすが北海道
上から見るとヤマメとそっくりだ。 透明感溢れる流れからオショロコマが飛び出す。本流は型が良かったが、魚影は今一つ。ところが枝沢に入るとやたらに釣れてくる。ところが、型は6寸程度と小さくキープサイズはほとんど釣れない。それでも入れ食いは十分堪能できるから、感激すること間違いなしだ。
上は、なぜかイワナに近いオショロコマだ。 オショロコマは小型と聞いていたが、本流は8寸前後と良型がそろった。こんなオショロコマなら申し分なしだ。
適度な落差のある山岳渓流に細々と生き残っていたオショロコマ。イワナは一匹も釣れず、完全に棲み分けられていることが分かる。 テン場の焚き火でカジカとオショロコマを有難くいただく
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